昨日はわんこたちの定期健診でした。
年齢を重ねれば出てくる自然な「老い」に関しては仕方のないこともあるけど、
病気となればまたそれは別の話になってくるのが飼い主としては辛いところです。
今のところはどちらもお薬の効果が出ているようで、
ほっと一安心だけど毎月祈るような気持ちで通院しています。
わんこたちは落ち葉の上を歩くのが大好きです。
サクッ、サクッ、シャリッ、シャリッ。
ちらばった音符を踏み鳴らすかのような無邪気な姿はとても老犬とは思えぬ快活さだ。
鼻先をくすぐるススキをかきわけ空を見上げれば、
ほのかに冬の匂いを運んでくる風が心地いい。
彼らも人間でいえばもう80歳以上になる。
気が遠くなるほどの虚脱感でもがき苦しんでいたときも
君たちが寄り添ってくれるという安心感があったから
何度でも立ち向かえることができたんだと思う。
哀しみのない世界を垣間見せてくれる大切な家族。
純真で無垢な君たちといるとボクはすごく穏やかな気持ちになるんだ。
覚えていますか？
ずっと君たちを守ると約束したこと。
君たちが帰り道に迷ってしまわないように
きっと最期まで寂しい思いはさせないからね。
指の間をすり抜ける雫のように危うい未来だけど
それまではきっと死なない。
今、君たちの隣にいる幸福を噛みしめながら
その居心地の良さにぬくぬく甘えながら
必ずやってくるであろうその時に覚悟しながら
それでも君たちと一緒に生きて良かったって伝え続けたい。
ボクの大切な家族へ。
ありがとう。大好きだ。
・・・そして昨日は、原節子さんの訃報に驚いたりして。
またひとりの昭和を代表する大スターが逝ってしまった。
隠遁生活に入ってはや53年あまり、銀幕の大女優のひっそりとした最期だった。
知らないかたも、2002年のアニメーション「千年女優」のモデルに
なった人だと言えば分かるんじゃないかな？
相方の影響で昔から小津安二郎の作品が大好きでよく観ていた。
ＤＶＤボックスをそろえたり、海外の小津ファンと交流したりけっこうなヲタクだったりして。
銀幕の世界から忽然と消えてからかたくなに沈黙を貫き通した原節子。
彼女の衰えた容姿を見せたくないと俗世との関わりを絶つ美学は誰にも真似できるものではない。
凛とした佇まい、毅然とした振舞い、品のある美しさ、華やかな顔立ち・・・
スクリーンの中でたくさんの人生を生きた彼女は何を思い、そして何を感じたのだろうか。
マスコミの執拗な追い回しや隠し撮りなどで、近隣にさえ姿を見せることがなくなっていた彼女。
容姿端麗なばかりに、周りから完璧な理想像を求められてさぞ気苦労が絶えなかっただろうと思う。
素顔はベールに包まれていたがとても気さくな方だったとか。
まさしく伝説の女優の名にふさわしい永遠の美女だったと思います。
原さん、心からご冥福をお祈り申し上げます。
November 26, 2015 風太.
