ずっと眠れない日が続いてたから、
思いきって真夜中にお散歩することにしてみた。
コンビニを照らす蛍光灯の明かりが風の向こう側でぼんやりと滲んでる。
よなかに歩道にひとり、とりとめのない気持ちが白い息で暗闇のなかへかき消されていった。
光りのしぶきをあげて通り過ぎる車を見てると、思わずなんだか泣いちゃいそうになるや。
手袋のついたぐるぐる巻きのマフラー。
・・・どこからどう見てもぶりっこオジサンなんだけど別にいいのだ。
コンビニに着いて暖かい紅茶と大好きなハーゲンダッツを買った。
外に出ると駐車場に猫が一匹ちょこんと腰かけてた。
あまりにカワイくて縁石に座って眺めていたら、
どこから来たのかもう二匹が合流してみんなで歩き出した。
なんだ、待ち合わせだったのか・・・もうちょっと見ていたかったな。
去っていくのを目で追ってたら、最初の一匹がこちらを振り返ってボクに向かって鳴いてる。
ん?もしかして誘ってくれてんの?
なんだか面白かったのでその三匹のあとを着いていった。
・・・そこは、ラーメン屋の横にある舗装もされていない野ざらしの駐車場。
すでに先客がいたようで、彼ら三匹を合わせるとなんと八匹の猫がいて・・・
これが噂に聞く猫の集会ってやつなのか?
夜中の三時過ぎという時間もあいまってか、少しばかり震えがきたや。
猫たちが遠巻きながらも鳴いてくれたんで、
新入りのボクはおどおどしながらミャーっと先輩がたへ挨拶を返してみた。
猫語なんてものはさっぱり分からないけど、
明らかに下っ端スーツを着させられそうなそんな勢いなのだけは確かだったりして。
ネコだから猫の集会の参加条件はそりゃ満たしてるけど、
猫にすら同情されるなんて凹んでしまったのだ(汗。
夜が明けるまでのほんの一時間ちょっと。
ハーゲンダッツはすでに溶けて食えなくなっていた。
人間には決して知られてはならない、
猫先輩たちの定期集会に気づけばボクの心はぬくぬくになってた。
そんな朝露にけむる空いた帰り道。