マイノリティだからこそ身近に理解者が居るのは心強い事です。
だから自分の手に掴み取れた物は、綯い交ぜの感情を穏やかにしてくれます。
この広い世界のなかで巡りあえた出逢いの数々が、ボクをあるべき道へと導いてくれる。
髪を撫でる優しい風は、最後の物語もきっと見守ってくれるに違いない・・
そう思うともう怖くはない。
季節は巡り、悲しみや喜びを繰り返しながら、愛された事をただ心に刻んでいく毎日。
そして叡智のしずくがしたたり落ちて、生きる意味を教えてくれながら
いつか永い眠りにつく日を待ちわびている。
孤独や寂しさと上手に付き合いながら周りの人たちと生きていきたい、今ならそう思えます。
家に帰ってから久しぶりにたくさん笑って、
気の置ける仲間とたくさん話せて、とっても楽しかったや。
茶飲み友達の大家さん(癌は知ってるけどHIVの事は知らない)まで
退院祝いに来てくれて、すごく嬉しかったです。
・・・昨夜は驚きの連続でした。
まず、大家さんに元が付くことになりました。
仕事仲間たちからは、籍は抜いてしまったけどあなたが代表をしてくれてるときは
金銭的な負担をぜんぶ背負ってもらってたから自分らは仕事に集中できたんだと言われました。
数年前、一度会社が傾いたことがあって、
彼らはそのときボクが自分の資産を会社につぎ込んだことを知っていました。
煩わしい事を見せたくないと、資金繰りは1人でしてたが彼らはちゃんと気が付いていました。
税理士の先生にも、自分の資産は資産として確保しないと共倒れになりますよ
ってキツく言われてたけど、零細事業者が無借金経営するには身銭だって
切らなきゃいけないときがあるわけで・・・
中古マンションがキャッシュで買えるくらいだけどそ
の時の貯金ほぼ全部入れてました(汗。
みんなが支えてくれたからやれてただけで、
今思えば舵もまともに取れないダメ経営者だった気がしてます。
そのおかげでスッカラカンに近かったんで、
移住資金を貯めるために昨年はハードな仕事を死ぬ気でこなしました。
元相方は安易に生活保護に頼ればいいとか言ってたけど、
その考え方自体が大嫌いだったからめっちゃ頑張ったんだ。
個人で請けてたからその分のギャラは丸々入っては来たけど、
その事と引き替えに現状は身体を壊して死にかけてる野郎が一匹いるわけです。
自分にとっての仕事仲間は、十年以上一緒に苦労してきた大切な人たちだし、
心から尊敬できる人たちでもあった。
彼らとの関係を切らずに今後も移住先で仕事を貰いたかったから、
つぎ込んだ分は最初から回収するつもりはなかった。
そういう経緯があったこともあって、いつか恩を返そうと考えてたと
ボクより年上の男たちが泣きそうになりながら話してくれて。
なので、大家さんが格安で売ってくれるらしく会社が買い取る予定みたいです。
昨年、大家さん自身にも風ちゃん安くするから買わない?とか言われてたけど
移住するからと断ってたからなおさらびっくり。
大家さんとは茶飲み友達だったこともあり、ボクのことが心配でずっと気にしてくれてたようで、
帰ってきたのを聞きつけて飛んできてくれて、風ちゃんは自分の息子のようだからと
退院をとても喜んでくれました。
・・・なんだかもうすでに決まってるのでと事後報告されても目がクルクルするや。
口を挟む隙も与えない、決定事項だけの通知に驚いたまましばらく思考停止していたボク。
賃貸の再契約内容はこっちが尻込みするくらいでした。
こんなに甘えたら申し訳ないと言ったら、
働けるようになったら家賃上げるからと満面の笑みで言われた。
正直、このまま仕事が出来ない期間はきっと長いだろうなあと戦々恐々としてました。
一年、いや二年?復帰なんていつ出来るんだろうと不安で仕方がなくて、
まず最初にネックに思ってたのが家賃でした。
今の無職状態で二年分の家賃だけで500万はちとキツいなあ、と思ってたんで、
人間、霞を食って生きれたらいいのにと現実逃避しながら、
それがいまの大きな悩みの一つになっていたのでした。
こんなにボクの事を想っていろいろ考えてくれてたことが心から嬉しくて、
みんなに何度もお礼を言いました。
そのあと、急に全員が真剣な顔になって、
いまの状態をちゃんとボクの口から聞かせてほしいと口々にお願いされました。
だから、退院後の治療方針といまの状況を自分が話せる言葉で頑張って話してみたんだ。
奥さんたちは泣いてたけど、これなら希望がちゃんと持てるじゃない、
一緒に頑張りましょうと言ってくれてボクももらい泣き。
そうそ、家にいることが多いんだからと
奥さんらが可愛いクッションを大量に作ってくれててプレゼントしてくれたのだ。
サシェのように中にハーブが入ってるようで、
ソファーに埋もれると気持ち良くって癒されちゃいます。ぐはー。
前の相方さんには、退院祝いに花束とお手紙をもらった。
彼から手紙をもらうのは生まれてはじめてでそれだけでヘンな汗が出てきます。
便箋6枚にぎっしりいろんな事が書かれてて・・・はじめて彼の想いに触れられた気がして
みんな帰ってから読んだら泣いちゃったけど心配させちゃってごめんなさいって思ったや。
彼は手紙の中でも自分のせいでみたいに書いてたけど、
今すごく幸せを貰ってるんだからもうそういうの止めていまを生きようとメールしました。
親類や身内にすらロクな目に合わなかった人生だけど、
地元を離れて20年、いまこうして暖かい人間関係が出来たのが何よりボクの一番の宝物です。
一緒に移住先で暮らすはずだった人にはありえない形で捨てられはしたけど、
こんなガラクタをまだ拾って使ってくれる人たちがいることに心から感謝です。
現実の世界もネットの世界も関係ない、ボクに関わってくれたみんなは、
ボクにとって本当に大切な人たちで、だからみんなには幸せでいてほしいです。
本当にありがとさんなのだ。周りが与えてくれたチャンスを無駄にしないように頑張ろう。
すぐに2クール目もはじまるけど、外来治療は白血球の数値如何で変わるようです。
主治医は入院中のボクの様子から心配だからこのまま入院してほしいと言われたけど
最終的には精神的に持ち直すことができたし、自分の家のほうがリラックスできるから嬉しい。
体重もだいぶ減って、すでに50キロ台だからいまのうちに体力つけるぞ!おー!
だから、いまは束の間の休息を全力で楽しもうと思います。