Tempest

2015/01/24

HIV・AIDS

t f B! P L
みなさん、おはよーさん。


あれから何日経過したのだろうか?
そろそろ時間の概念がなくなりつつある。

ただ、白い光の中 照らし出す朝がとても眩しく思えた。

最初はただの走り書きだったメモも、
闘病生活が長くなるにつれて日に日にその文章が長くなっていく。

陰々滅滅たる暗澹な気分でさえ、書いておきたい気持ちが強くて、
それが今の自分を奮い立たせているんだと思うや。

人はいつか死ぬ。そして人の命の重さは平等であってほしいと切に願うんだ。
家族の愛情の形としてわんこに何を残してやれるのか?そんな事を考えるようになった。

生き死には一つのブロセスに過ぎないから、見ているモノ、そして長い年月の間に
自分なりに受け入れてきた事実をボクはわんこにだけは伝えておきたいのかもしれない。

託したい想い、一緒に過ごした日々、陽だまりのような温もり、
ちょっと鼻を擽るような犬特有の匂い・・・

ぜんぶ忘れたくない、そして彼らもボクとのこれまでを
できれば忘れないでいてほしい、そんな風に思うんだ。

医療従事者は回復魔法を使えない。
だから原始的な呪文「頑張って治療に耐えてください」は、かなり強烈なジャブだ。

過ぎていく時間、わんこ達の事、恐れと混乱にフラッシュバックする日常の断片・・・
隣の人に聞こえないように静かに泣くのは結構至難な業だということが経験して分かったりして。

吐き気やかつて感じたことがないほどの悪寒に、
今までの不安要素が重なって一気に肩にのしかかってくる。

抱えている心の葛藤を誰にも打ち明けないのは、
ときになにが正しいのか道標がぼやけて見えなくなってしまうけれど、
逃げ道という退路を絶ったことで前に進むしかもう後がないのだから
弱いボクにはこれで正解だったのだと思います。

この選択は正しいか?に対して明解な答えなど実は存在しない。
なだらかな道筋の先に見える丘はできれば穏やかなものであってほしい。

強く生きるのってしんどいね。

生まれること、老いること、病むこと、死ぬことの四つの苦悩は
人生のうえで求めているものが得られない事を知っていくためのものかもしれない。

痛みが満ちていても、目の前に並んでいる景色が霞んで見えても、
どうあがいたってボクは一人ぼっちだ。

逡巡の末、意味のないものは1つもないことを悟ったから
今ボクはここに居て立ち向かおうとしてる。

今日も明日も果てしない自分探しだけど、歩いて行けると信じている。

なんでも自分で背負い込むのを昔から怒られていたけど、これは死ぬまで治らないや。
知らなくていいことならば知らせなければ誰一人として傷つけることも泣かせることもきっとない。

ひとりで生きてひとりで死んでいく。強く生きようとするほど、孤独になる。
これはある意味、極限の防衛手段なんじゃないだろうか?

寛解する公算が高いと言われてるから今は治療に全力でぶつかっているけど、
この先、再発するようなことが起きたら、きっとボクはもう何もしないだろうと思うんだ。

最期まで闘えなんて簡単に言える人は、きっと守るべき何かがあって、
その手に幸せを掴んでいるからで、魂をすり減らしながら先の見えない生活に
気力まで吸い獲られていくのならば残ってる時間が分かった時は好きなことをしたい。

変わり者かもしれないけれど、そんな人間、1人くらいいたっていいよね?

後悔するような生き方はしないように、時間は大切に使いましょう。

表面的にはそんな風に思いながら、なんで自分なんだろう?
という考えがどうしても頭をよぎってしまうことがある。

Twitterなんかを見てると、顔出しでヤバ種だの生だのなんだの言ってる
恥さらしなポジの人が驚くことにそれなりにいる。

善と悪のせめぎ合い・・・人心操作なんて思ったよりもずっと容易いものだ。

だから、ボクら感染者の示す行動1つで
感染者に対しての悪いイメージを世間に植え付けてしまうのかもしれない。

なぜあの人たちはあんなに笑っちゃうくらい元気なんだろう?
そして、あんなに身勝手な生き方をしているのに、
どうしてあの人たちじゃないんだろう?

ちゃんと生きてる感染者の人たちが同一視されることも厭わない刹那的なハッテン活動・・・
それはきっと障碍者手帳を、何かのラッキーパスのように思ってるからなんだろうなって(汗。

その一部の人たちのせいで、世の中では感染者は全員クズだと思われている。
権利ばかり主張するんだからそりゃ差別なんて無くならないはずだ。

命を賭してくれた先輩らのおかげで恒久的な保証が得られて、
それでみんな投薬することが出来ているのに、この現状が恥ずかしくないのかな?と考えたりした。

健康を失ったのにその有難味も分からないなら頼むからどうかボクと癌細胞を交換してください。

ある時、ボクの黒い部分が覗いて、心の中でそう叫ぶ事がある。
いま心が折れかかっているから本気で自分の中の声を書いてみた。

そりゃあ、ボクだって男だから性欲くらいはあるさ。

前の相方さんとセックスレスになって10年、
これ以上前の相方を想いながら1人でするのは、さすがにあまりに虚しすぎた。

だから、魔が差してしまった。
その結果、他の人とのたった数回で感染した。

元相方のおかげというか、無駄に知識だけは増えたけど、
俺、ハッテン場でやりまくりだから感染した、
仕方ねえし!とか言えたらどんなにか楽だったろうと思うんだ。

楽しんだんだろ?とか言われても、たった6回で感染じゃん!
とかいまでも心のどこかで思ってるや。

そのせいなのか分からないけど、いつまで経っても
どこか棘が引っかかったように感じていたりしてやるせない。

前の相方と元相方との付きあった年数は合わせて約20年近い、
自分でも驚くほど相手の事が好きだったからこの2人の時は嘘みたいに
他の人へまったく目が向かなかった。

同じ感染者である元相方と付き合えてそこには愛がちゃんとあってボクは本当に嬉しかった。
キモイかもしれないけど、愛されることに飢えていた自分に驚いたりもしたや(汗。

感染が分かってからは一度たりとも元相方以外の人間とはしていないから
いま病院のベッドに繋がれているこの状況は最初はショックだった。
いい子にしてたのになぜ?って。

いろいろ苦しくて泣き暮らした葛藤の時期も恥かしいけどあった。

・・・・そんな時、ある感染者のかたからメッセージをいただいた。

ある場所にボクの事が載ってて、それでボクの事を知ってくれたようで気になって検索してみた。

書いてあることはとても嬉しく思った、
あんな事思ってくれる人がいるだけでブログは続けて良かったとはじめて思えたや。


ありがとさん。むちゃくちゃツラいし、むちゃくちゃ泣けるけどもう少し頑張ってみるよ。





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