HIV感染知りながら女性に乱暴…無職男に有罪
2014年10月18日 13時33分 Yomiuri Shimbun
無施錠の住宅に侵入し女性に乱暴したなどとして、住居侵入や窃盗、
強姦ごうかんの罪に問われた住所不定、無職の男(49)に対し、
横浜地裁(鬼沢友直裁判長)は17日、有罪とする部分判決を言い渡した。
男はエイズウイルス(HIV)に感染していることを知りながら、強姦事件を繰り返していた。
海外では幾度となく聞いたニュースが国内でも現実のものになるとショックだ。
同じ感染者として容疑者の行為は決して許せるものではない。
なぜなら彼のその非常識な行為は=感染者全体の脅威になっていくからだ。
とりわけ社会的に忌避されがちな疾患とされてきたこの病気。
安易な撲滅スローガンは患者を社会から排斥したいという意識を生むこともあります。
治療が可能な病気にも関わらず長い間に渡って感染の恐ろしさのみが強調されて伝えられてきました。
・・・・このようなニュースが出ると、どうしても考えてしまう。
「だから言ったじゃないか」なんてスケープゴートとして晒された挙句に、
地域社会で許されない異端モノとしての烙印を押されるんじゃないかという恐怖。
見えない鎖はいつも隣にあって、何かあれば途端に連帯責任として扱われ
そして目に見える鎖で拘束されて雁字搦めで動けなくなるんじゃないのだろうか?
人生は長い。
人はひとりの人間として、社会から生きていける環境を与えられなければ、
その先に繋がる「何か」を見いだせない。
それは治療を受けることを躊躇させ、蔑視されることに耐えられなくなって、
最後は自暴自棄になることも、もしかしたら現実にあるかもしれない。
だから、疾病観はそれこそまんま人間の生命倫理へと繋がっていく。
生活習慣で培われてきたものはそんな簡単には覆せないけど、
いまや身近に寄り添う病気だと知っていただけたら嬉しいなって、そんな風に思うんだ。
ボクらは被害者でも加害者でもないということ、そして誰しもなりうる可能性がある病気だということ
欲はなくすことは出来ないが律することはできる、そして正しい知識を知れば人生をもっと
有意義なものへと変えていくことができるんだ。
一生、その戦いなんだって思うけどそれを水の泡にしてしまうような事件はほんとうに辛いや。
いいエイズ、悪いエイズなんて人間扱いされない状況が過去にあった。
医療機関での診療拒否など、世間的にはいまだに感染経路別に区別されているのを
日常生活のうえで折あるごとにひしひしと感じることがある。
だからボクは何年経っても誰にもどこにも心を開くことをしないで、
自分の運命から目を背けてクローゼットに籠って今までやり過ごしてきてしまった。
これから先、孤独に耐えていくことができるのだろうか?
ボクはずっと答えを探している。