秋。
切なく漏れた溜息が虫の音に折り重なってたなびく空へとかき消されていく。
メランコリックな季節は人を物思いにふけさせ、ボクはそこから逃れるように弱虫ペダルを漕ぎだす。
軽く鬱ってるときに見る松岡修造はツラい。
今日は業者さんに不用品を回収してもらった。
その中身は移住先のお店で使う予定だった看板なんだけど、けっこう値段したのにアホらしくなる。
屋号は決まっていたから、立体文字の看板とプレートの看板、
そしてカッティングシートなどをあらかじめ製作してもらっていた。
彼はその辺のことも考えてる様子がなかったからこっちで早々に作ってしまってたや(汗。
ショールームに掲げられてるようなめっちゃオシャレな看板が一度も陽の目を見ることなく廃棄される。
・・・・ひどくいい加減なエピローグにこれで終わりなのかとまたひとり虚しくなった。
悠々自適ストレスフリー生活を満喫していますって言いたいけど、
ここんとこどこかでかなり強がってたから思いっきり泣いた。
別に恋愛至上主義ではないけど、ご希望に合わせて必要な保障が選べる終身タイプなはずだった。
ボクにとって彼は最後の人だと自分のなかでは決めてたから反動が大きいや(涙。
いつか世界から消え去って忘れ去られたとしてもこの時間はたしかにあったんだと思いたい。
異なる速度で回る二つの世界、絡まりし螺旋の向こうへ続く哀しみの半分をボクは空へ放り投げた。
円滑な社会生活を妨害する愛情の亡霊はいつまでもボクを追いかけてくる。
窓から見える世界の一部がボクのすべて、ブログくらい更新してないとさすがに気が狂いそうだ。
・・・通り抜ける色なき風にずっとあたりたくて意味もなく外にいた。
深淵の森に迷いながら今までとこれからを天秤にかける、そんな真っ暗闇の夜。
いっそ早く忘れてしまいたい。