晩秋の佇まいは膚寒さと人恋しさを呼び起こして
ハーメルンの笛吹のように孤独をゾロゾロ引き連れてくる。
ボクは雨の日が嫌いだ。
あまねく想いを反芻しては、記憶の中に幸せだったころの自分を見つけようとするから。
これからもひとりぼっち・・・・
ただの独り身のクローゼットなゲイにはなんの支えもない。
頑張れよ。
そんな風に言われれば言われるほど、なぜだか現実で色を失くしていく。
明けることのない闘病生活、どれだけ精神をまともに保てていけるのかななんて?
ひたすら隠してふとその緊張が途切れたとき・・・人は哀しみに抗えなくなる。
耳を塞いでも鳴り響いてる雨の音を聞きながら、
水溜まりにかかる闇はボクに少しだけ泣く時間をくれるんだ。
いつか、晴れる日はくるのだろうか。
39度の回らない頭でアレコレ考えるのを止めて急いでご飯をかっこむ。
幸いにも、ボクには本という強い味方がいるんだ。
でも孤独な夜はやってくるんだよ。
明日をまた頑張ろう。
胸に抱え込んだ迷いが明日は違うものになれるように。
ボクは弱虫ヒーロー。