見つかりっこないと諦めれば
幸せなんて見つからないよと笑う君
この目で見ることが出来ないからといって
そこにはないと決めつけてしまうことは
夢とか希望とか絆とか愛が
この世界にはないと
決めつけることと同じなんだ
形あるものは 必ず移ろってく
いつかは枯れてしまう 四つ葉のクローバー
でも君がくれた 形のない気持ちは
心の中ずっと枯れることはない
みなさんこんばんはなのだ。
乳白色の朝。憂鬱があがって明るんだ白南風の空に、混じりけのない清澄な空気が流れていく・・・
一気にホームをかけあがると父と子の仲の良さそうな姿にボクはなぜか自然と釘づけになった。
そこは時が止まる場所。閉ざされた記憶の向こうで在りし日の父親の姿をその子の親に重ねていて。
・・・ボクは自分の育った街が嫌いだった。
父親は口下手で子供にどう接していいか分からない人だった。
だからボクは、父に遊んでもらった記憶がぜんぜんなかったりする。
当時。母親の稼ぎは職人気質の父親の数倍はあって、
そんな今でいう格差婚状態に、気がつけば夫婦仲は上手くいかなくなっていた。
大黒柱としての男の威厳を失ったと思ったのか、今となっては知る由もないけれど
女々しく嫉妬に狂った父は、いつしか母やボクらに暴力をふるいはじめた。
母親の経済的成功に対し『股でも開いたんか?』と暴言を吐いて鼻で笑うあの日の父。
気心の知れた仕事仲間にまでその醜い嫉妬が向けられたとき・・やっと母は父と別居した。
それからは職場で待ち伏せしてはお金をせびる父がいた。
恫喝する姿にもはや父の面影はなく・・・
それはチンピラそのものだったりしてただただ哀しかった。
今日は車を買うからとか理由をつけては、毎日とんでもない額を引き出しにきて、
母親はそんな父のあまりの怖さに言われるがままお金を渡すよーになっていたのだ。
どんどん質素で苦しくなってく我が家を見て、
ボクはある日とうとう母親を問いつめてしまったのだ。
聞いてみたら。トータルで家が二軒建つくらい渡してしまったらしい・・・
そしてそのお金は全て父の豪遊で跡形もなく消えてしまっていた。
だからボクは母親にお金がかかることは意地でも絶対にねだらなかったや。
そんな目にあっても子供が二十歳になるまでは離婚しない、
子供のために別れられないっていう、実は子供のことを本当に分かっていない母親。
哀しい顔をしながら自己犠牲な献身っぷりをまざまざと見せられてもちっとも嬉しくなくて・・・
長い間。憎しみとも似つかない奇妙な感情で心の中が燻ってたのをいまでも忘れられないのだ。
そんなの子供は望んでないわけで。
親不孝と思いながらも、静かに耐え忍ぶ母親のことを
いつしかボクはすげえ重荷に感じるようになっていってしまったのだ。
そんなこんなで、やっとすったもんだで離婚できたと思ったらお人よしすぎる母は、
今度はある男にストーカーされるようになってしまい、ホテル暮らしを余儀なくするはめに・・・・
もう限界だった。ただただそこから逃げたかった・・・
そして。ボクらの二十年間にわたる親子関係は、これで完全に壊れることになってしまった(涙。
・・・それから十余年あまりが過ぎて。
今の相方さんと一緒になって。
不思議なことに、失った時間を取り戻すかのように母親とまたコンタクトを取るようになったや。
相方さんと一緒に食事をしたり、物件探しを手伝ってもらったり、地鎮祭に参加してもらったり、
ボクのいないところで二人だけで内緒のお話までしているらしく、なんだか恐ろしいのだ(汗。
相方さんを介して復活した家族のぎずな。
今度は壊さないよーに。ゆっくりと暖めていきたいって。
母親が送ってくれた幸せだったころのセピア色の写真をみながら想いにふける・・・そんな夜。
窓の向こうに泣いてるボクがいた。
明日、朝起きたら電話してみよう。
何を話していいのかいまだに分からないけど、まずは『おはよー』って言ってみるんだ。
おやす眠。
※お願い
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