過去は空に溶ける

2013/07/11

HIV・AIDS

t f B! P L
いま生きるこの時が 何かの間違いで
もしあの分岐点へ戻れるとしても私は選ばない


答えは自分で探す  仮定に意味は無い
そこに君がいないなら


‘Life’
私はそれを知っているんだ


What is ‘Life’
君にも見えているのだろうか


どこまでも続く雲海を 駆け抜ける胎動
こんな痛みなど こんな鎖など
前に進む動力  過去は空に溶ける


and you’ll see a contrail




みなさん、こんばんはなのだ。
今日はお仕事で以前住んでた場所へ。


駅を降り立つと揺らぐ様々な灯りは夕暮れの街を染めていき、
街の陰影は幻想的な情景を形創っていく・・・


そんな暖かい出迎えとは裏腹に、ボクはとある感傷に浸っているのだ。


改札口くぐって真っ直ぐに伸びたイチョウ並木を通り抜ければ、
そこはボクが以前住んでいたマンション。


13年。わんこたちと共に生きてきた幸せがこの場所にあった。
深閑としたエントランスにはひと一人いない・・・


住居棟には入れないので外からガラス越しに覗いてみる。


景色に一目ぼれしてマンションを購入したあの日、
ドアを開けはじめて部屋に入ったときの感動は今でも忘れない。


わんこたちを迎えボクらは家族になって、
生まれてはじめてご飯は家族みんなで食べるものだと知ることができたのだ。

それは。ずっと心の奥底にあった自分の家族に対する
寂しい気持ちが満たされた瞬間でもあった。


感染の告知を受けた時は、得体の知れない漆黒に飲み込まれていく恐怖に
いつしか感情も枯渇していったのを覚えていたりして。


例えようのない抑うつ感が続いて、気がつけば自分で何かを決められなくなって、
だけど『早く死ななきゃ』って気ばかりせいていたっけ。


ある日の夜。吹きすさぶ風の音につられて無意識に飛び降りよーとしたら、
闇のなかでただ不安そうに震えているわんこ達がボクの目に入った・・・・


これが自分の成れの果てかと思うとなぜか笑えてしまった。
この子達のために今は死ねない、その時そう思ったのだ。


CD4はギリギリ1ケタにはならなかったものの、
全身血だらけの日和見感染フル搭載の患者は物珍しかったらしく、
客寄せパンダよろしく、大勢のドクターやインターンに見られたりして嫌だった。


こんな自分でも何か役立つならという思いとは裏腹に、
顔から火が出る思いで耐えていたのをボクは忘れないや(汗。


あのときの光景が浮かんくるといまでもカラダが震えちゃうけど、
人知れず、人間の回復力にもこれはこれで驚いているのだ。


いまのとこに越して4年目。これからも新たな物語を紡いでいくんだと思ってた。
だけど半年後にはボクは相方さんと移住する、そして大切な家族と離れ離れになってしまうや。



ボクは一体どうすればいいんだろ(涙。



おやす眠。





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