皆さんこんばんは。
年を取ると性格が穏やかになっていく。
ただそれは一つの行動論理であって現実はそうじゃない。
人は感情の発露には、特に「怒り」は相当なエネルギーを使います。
今の時代、頑迷固陋でキレる高齢者を見掛けることが多くなったような気がしませんか?
若年層の犯罪は減少の一途を辿る一方で、高齢者の傷害事件は増え続けているという。
理性を司る領域が衰えるせいだということもあるが、
今の高齢者はとても活動的な人が多いので、いちがいにそうとも言えない部分がある。
優しい人はより優しく。頑固な人はより頑固に。
人を陥れる人はより卑怯に。怒りっぽい人はより怒りを出すように。
そういう風にどんどん歯止めがきかなくなってしまう。
人間は誰しも年をとっていく。
生涯にわたり感情だけは、自分次第で柔軟に育んでいくことができるから、
生きるうえで体得した「タイムラグを作る」という作業は人間関係を豊かにします。
その人を取り巻く状況が自分に結びついていない。
周囲の状況に自分を合わせられない疎外感もきっとあるのでしょう。
でも老人だからで済むのは身内の間だけ。
犯罪を起こすようなことをされてしまうとそうは言ってられません。
年を取ると、人間の本質が表れてくるそうです。
取り繕うような社会的感覚も気力も無くなってくるせいかもませんね。
最後に残っていくものがその人の芯の部分だとすれば、
僕は相方に「ありがとう」と伝えられる人間でありたいなあと思います。
相方の両親はお世辞にもいい人ではありません。
通所しているデイサービス先は老人ホームも運営しているのですが、
機能訓練やレクリエーションは、入居者の方達も参加しています。
その中に、母や父によくしてくださる方がいて参加中は和気藹々なのです。
ですが自宅に戻ると、あの人あんな所に住んで惨めよねーなんて笑いはじめます。
他人を貶して自分を上げる。
若い頃からそうやって生きてきたんだと分かってしまうのが悲しい。
あとはスタッフの方に無言を通したり、大声で恫喝して自分の思う方向へ導くことも。
そうするとよく言うこと聞くからと、人のコントロール法を自慢げに言ってくるのです。
これって一種の心理的洗脳のやり方だし、素でやってるのがどうにもこうにも。
聞いてるとおぞましくなりますが、他害行為をしてないだけマシかもしれません。
普段からメールや連絡帳でこまめにコミュニケーションを先方ととっているので、
何かあれば謝罪をしていますが、いつもヒヤヒヤさせられっぱなしです。
こういうシルバーモンスター、世の中には多いみたいで怖くなります。
森元総理が「老害」と言ってましたが、傷つけられた人からすればその通りなのかも。
僕は普段、自宅で両親と食卓を共にしません。
食べながら鼻くそをテーブルに擦り付けたり、ゲップやおならをしながら食べたり、
口からペッって出して見せたりするので、一緒に食事なんかできません。
だから、黙々と食事を作ったり、介助したりに徹しています。
一度、時間が取れなくて自分も同じテーブルで食べた事があって、
僕のお皿に口から出した物体を埋め込んで食べてとニヤニヤしはじめたんで無理かなと。
でも人を見てやってるんです。
身内である相方や僕には必ずするし、ヘルパーさんも繊細そうな方を選んでいびります。
なので外食はできるだけ個室のあるところ、旅行先はおのずと家族風呂のある場所とかに。
僕らとしてはいろんな所へ行ったり、いろんな経験をさせてはあげたいんですけどね(汗。
こういう行動力があるのは元気な証拠だけど、、、、、
両親を見ていると、受け入れたくない自分っていうのもあるのかなあって。
聞き役に徹して、なるべく否定しない、やりたい欲求は阻止しない。
でも助長させると犯罪レベルにまで行く気がするんで、バランスが難しいですね。
お年寄りって昔話が大好き。
自分の輝いていた時代の話は盛ってでもします。
何度も何度もするからうんざりしますが、その時はうんと褒めとくんです。
そうすると少し落ち着くし、手がつけられなるくなるのを見越してそれとなく
僕らのほうから昔話を振ることもあって、これは1つの対処法になっています。
僕も相方も、介護をしない人達にあれやこれやと陰口ばかり言われています。
お金が目当てで両親に媚びてる人達だと分かってるけど、そんなのどうでもいい。
僕はいくつか持病を抱えているし、相方もいまが彼にとって一番大事なときだし、
雑音なんかに耳を傾けて、これ以上心をかき回されるのはゴメンだなって思います。
だからシンプルに生きようと。
人の縁も期限があると言います。
無理して繋ぎ止める必要のないものは終わりにしてしまえばいい。
時が過ぎるのは本当に早いです。
そう考えたら、僕にとって必要なのは相方と一緒に生きてる時間だけだ。
昔は人を愛せる自分を想像できなかったけど不思議だね。
僕も少しは普通の人に近づけた?そうだったらいいな。
窓から見える街燈がほの白く蠢いている。
車のヘッドライトが流れる道路は妖しく光っていてとても静かだ。
今夜もなにもありませんように。
そう思いながらトイレ介助のために待機する僕。
コーヒーでも入れて、ゆっくりします。
それじゃまた。